赦せる喜び

2018.04.01 大野綾姉

 神様と出会う前の私は、自分の両親を、特に父親の事を赦せずにいました。私が小さい頃から父は暴力がひどく、特にお酒を飲むと手加減ができなくなります。母も、自分に矛先が向けられるのを恐れ、暴力を受けている私を見て見ぬ振りをしていました。学校の先生や周りの人たちにも助けを求めましたが、誰も助けてくれませんでした。それどころか、関わりを持つことすら嫌がられ、学校でも孤立していました。誰も私の事を気にかけてくれる人などいなく、今私が死んだとしても悲しむ人などいない、ととても孤独な日々を送っていました。そして、毎晩、家の門の音が鳴り、父が帰って来るのが恐怖の時でした。

 義務教育が終わるとすぐに働き、両親の元を離れ、自分で生活を始めました。家族に会いに帰省した時のことです。また父の暴力にあい、この時が一番ひどく、私は深夜に病院へ運ばれ、肋骨も折れ、頭も腫れ上がっていました。意識を失い、本当に殺されると思いました。しかし、その時も母は助けてくれませんでした。

 この事件の後、身の危険を感じた母は家を出ていき、二度と帰って来ませんでした。父は反省し、お酒もやめ、暴力も振るわない、怒らない、変わるから赦してほしいと家族に謝り、本当に人が変わったように優しくなりました。母はそれでも父の事を拒絶しましたが、私は、変わった父を見て嬉しくなり、受け入れようとしました。しかし、所々で怖い思いや、赦せない気持ちが沸いてきてしまい、父を責め、完全には受け入れられませんでした。

 そして5年前のことです。母が離婚裁判を起こし、離婚が成立した瞬間から、優しい父は消え、その時から父は私を責めるようになり、私を恨み、顔も見たくないと完全に私を拒否するようになりました。母も、やっと父から解放されたので、これからは自由に、何にも縛られずに生きていきたいと、益々私に無関心になりました。

 その後私はオーストラリアへ行く機会があり、そこで神様と出逢い、その出逢いが私を変えてくださいました。

初めは、みんなでランチを食べるから、綾も来ないかと誘われ、行ったところ家での集いが開かれており、日本から伝道に来ていた教会のM先生と出逢い、彼女のメッセージに心を動かされました。

その時のメッセージは「人間は何の為に生きているのだろう」という漠然とした悩みが小さい頃からM先生にはあり、それが神様と出会い、どう変わったのかというメッセージでした。そのメッセージが当時の私の心と重なり、この孤独な気持ちは神様が満たしてくださるのだという事がわかり、もっと神様のことを知りたくなり、そこから毎週欠かさずに教会へ通うようになりました。M先生が帰国されてからも続けて教会へ通い、その教会のメンバーだったEさんと学びとお祈りを始めました。

神様のことを学ぶうちに、両親の事を赦せないでいることは罪だと示されました。しかし、イエス様が私たちの罪のために十字架にかかり死んで下さったので、私たちのすべての罪は赦され、永遠のいのちをいただく事ができると知りました。でも最初は難しくて正直、良く分かりませんでした。

 しかし、学びやお祈りを続けていくうちに、こんな私のことを自分のことのように想い、いつも力になって下さる方たちの神様は、もっと素晴らしいに違いないという確信が与えられ、更にはこの学びとお祈りを通してクリスチャンの方たちの愛が私の孤独な心を満たしてくれました。

 そして、帰国してからすぐにM先生によって洗礼を受けました。

 そして、周りのクリスチャンの方たちに助けてもらいながら聖書を学んでいくうちに、自分を犠牲にしてまでも助けてくださり、共に祈ってくださる彼らの姿勢に、なんでこんな私に、こんなにも良くして下さるのだろうと驚かされました。まさにそれは私が心から求めていた愛でした。そのことを通して、人を信頼できるようになり、また、それらの全ての愛は神様からくるのだと悟ることができました。神様を愛し、神様はどんなお方なのかを知っていくことで、少しでも神様に近づけるようにと行動するようになるので、神様を愛する人たちはこんなにも素晴らしいのだなと知ることができました。

 そして今では、私たちの罪のためにイエス様が十字架にかかって下さった愛の深さを痛いほど理解できるようになりました。聖書は言います。「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、この世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである」(ヨハネ3:16)

ヨハネの福音書3章16節
神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、この世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。

このように神様の愛を深く知る体験を経て、神様が私を愛し、赦してくださったように私も両親を愛し、赦すことができました。今年の母の日、父の日には、感謝の気持ちを伝え、一緒にプレゼントも贈りました。これは、本来普通のことかもしれませんが、神様を知る前の私では考えられなかったことです。

神様の愛と、赦しを知り、信頼できる神の家族がいてくださる今、私は心から満たされ、とても幸せです。そして、神の家族が愛をもって私に伝えてくださったように、私も同じ愛を持ち、まだこの愛を知らない方たちへ伝えていきたいです。そして、1人でも多くの方にこの本当の愛と赦しの体験をしていただきたいです。

 神様に感謝します。